RICPプレスリリース・メールマガジン

メールマガジン 2012年05月07日号

「春夏秋冬」藤家 誠

この世の中には、かけがえの無い事や何事にも替えがたい事、美しすぎる事が存在する。
この世の中には、大好きな国や行ってみたい場所や瞬間が存在する。
私たちの日本には、四季があることで、
なんて素晴らしい恵まれた環境だろうと思ってしまう。
人は、一年間を通していろんなバイオリズムを持ち合わせている。
感受性豊かな日本人は、この四季のある環境にパワーをもらいながら
日々癒されて生きているんだなと思う。


昨年の3.11に起こった大震災は、この美しい日本の名所ともいうべき東北地方に
深い傷跡を残した。

3年程前になるが盛岡市内の商業施設開発の仕事をしていた時期があった。
その間、東北地方の色々な名所を訪れる機会に恵まれた。
私は九州の人間であり、現在の仕事をするまでは東北地方と全く無縁、
特段興味のある地域でもなく、
唯一「冬は、しばれるぅ。。。。」という程度の印象であった。
しかし、東北に接する時間が増すごとに、
なんて魅力的で且つ歴史を感じられる街なんだろう、と
今では、住んでみたいと思う程の街となった。

その東北地方に痛々しい傷跡を残した大震災は、
私自身にとってもショッキングな出来事でであった。

盛岡で言うと市内を流れる北上川から望む岩手山は、絶景である。
秋田の角館の桜や晩秋の紅葉は、芸術の域であり、青森で食した美味しい料理も忘れ難し、
仙台の杜の都は、何度でも訪れたいと思ってしまう。

盛岡でタクシーに乗り、運転手さんに自身の東北に対する思いを打ち明けた時があった。
特段、地元の人にヨイショしたい訳でもなく自身の思いを聞いてもらいたく話し始めた。
「東北って本当に素敵なところですね。
こんな素敵なところに住んでいるみなさんが羨ましいですよ。」
、、、、、とペラペラと話しかけていた。 
すると運転手さんから返ってきた言葉は、予想もしない言葉であった。
「あんたら、たまに来るでそげん感じるけんど毎日生活すんと苦労があるけんよ。
観光とかで来て見んのと生活はべつさっ。」

私がその時受け止めて感じた事は、単に東北の生活は大変なんだという事では無く、
この歴史ある街、この文化遺産の多い街、
この素敵な春夏秋冬を持ち自然、歴史、食文化・・・・・
素敵な出会いと感動体験のできる街として維持することの難しさと、
これに尽力されている東北に住まう人々の大変さ、責任感である。
運転手さんの一言で、これらを肌身に感じた一瞬であった。

春の名物といえば「桜」であり、これも美しい日本が世界に誇れるものである。
桜は、長く厳しい冬の終わりを、断固として告げるかのように花開く。
『まさに今が見ごろな時期でしょうね』 と運転手さんに手紙を書きたくなった。

短い桜の時期も終わり、新緑の芽が初々しく清涼が吹き抜ける夏へと巡り、
真っ白なキャンバスにアースカラーの油絵風に彩られる紅葉の秋から、
幻想的で凛と張りつめた空気が新鮮な厳しい冬が訪れる。

僕らは、こんなにも美しい日本でこんなにも美しい春夏秋冬を感じながら生きていられる。

今こうやって春夏秋冬から放たれるコントラストのもとそれを彩る自然や街並みや
文化財とのコラボレーションの素晴らしさを体感できるのは、今日まで大切に大切に守り、
労りぬいて頂いた人生の大先輩の方々のご尽力と歴史の賜物であろう。

 
この先、何十年も何百年も美しい日本と美しい東北の春夏秋冬の継続を切に願いたい。
自分自身もただ願うことだけでは無く、街づくりの観点から美しい日本、
美しい東北づくりに貢献したい。

そして、いつまでも一人一人が、日本人で良かったと思い続けられる為にも。。。。
そして、何らかの形で東北の復興にもこの先も協力していきたい。
そして、またあの運転手さんと東北の魅力と地元のお宝について語り合いたい。
   がんばろう東北!   がんばろう日本!!



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