RICPプレスリリース・メールマガジン

メールマガジン 2011年10月21日号

「エシカルをデザインする」太田昌也

15年ぐらい前、前職でオーガニックをテーマにした生活提案業態店、
「プランツ」の立ち上げ運営を行っていた頃、
雑誌の取材でよく質問されました。
「太田さんにとってオーガニックとは何ですか?」
そのとき私は必ず「本質を追究することです」と答えてきた。

時代は流れてロハス、エコロジー、グリーン、スマートなど
環境に関連するキーワードはいろいろあったが
基本的にはトレンドの要素が強かったと思う。
消費者が知りたいのは難しい仕組みや技術ではなく
本質がどこにあるかだ。
ロゴ入りのエコバックを持っている人が
「私ってオシャレ?」スタイルを楽しんでいる。
物事を広く浸透させるために
トレンドやバズの要素が重要であることは承知の上だ。


そういうなかで今年3月11日に東日本大震災が発生した。
震災をきっかけに今までくすぶっていた
表面的なトレンドが本質へと変わりつつある。

人々は誰かのために、そして何かのために役に立ちたいと
真剣に考え始めたのではないか。

最近エシカルという言葉をよく耳にする。
倫理的、道徳的などの意味だが突き詰めると
「本質とは何か?」を表現した言葉ではないだろうか。
誰もが疑問に思わなかったことにあえて意見提言をすることや
人のために行動することは気恥ずかしさもあり勇気のいることである。

商業シーンにおいても過剰な商品パッケージ、
まぶしいくらい明るい照明、夏なのに寒すぎる空調、
広すぎて疲れる大型施設、楽しませるためのスケールが
本来のヒューマンスケールであったかどうかは今に思えば疑問である。
デザインの基本は常用するものを使いやすく楽しくし、
生活に潤いを与える手段だと思う。

震災復興にはまだまだ時間がかかるであろう。
大きな潮流として定着しつつある流れを陳腐化させてはならない。
商業シーンにおいても開発過程、商業環境、商業運営など
関連するすべてにおいて継続可能なエシカルの仕組みを
デザインすることがこれからの我々の大きな課題である。

執行役員
東日本企画開発部部長
太田昌也



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